人気ブログランキング |

「みさき里山クラブ」活動紹介

kyousinomo.exblog.jp
ブログトップ

竹炭ソムリエ論文 Ⅲ  by 岡田 憲正

平成16年(2004).2月2日③…「岡田 憲正⇒竹炭ソムリエ論文提出」

⑥竹酢液の成分およびその機能とそれに関連する用途
竹を構成する化学成分の主なものは

          熱分解
          開始温度    竹酢液に含まれる成分

・セルロース    240℃   ①酢酸を主成分とする有機酸②アルコール類(メタノール・
                 エタノール)
・ヘミセルロース  180℃   ③カルボニルとしての(ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド) 
                 ④その他の中性成分 
・リグニン     280℃   主にフェノール性のものが得られる。(フェノール・オルトークレゾール・メタクレゾール・カテコール・グアヤコール・ポリフェノール)
・糖類
・油分
・蛋白質等

これら竹酢液に含まれる種々の熱分解生成物は、主なものだけでも40種類近くあり、厳密に分析すれば100種類は超える成分が含まれていることは間違いなさそうである。
 竹酢液に含まれる主要成分を表一に、主なポリフェノールの化学構造を表二に示す。
 このように分類できるもの以外に、一般にラジカルと呼ばれる化学的に不安定で反応性に富んだ物質が多く存在し、それ自体がまわりの化学物質と相互に反応を続け、変化していくため熱分解直後の竹酢液は極めて不安定なものと考えられる。それゆえ、いろいろの用途に竹酢液を用いるためには、まずこれに含まれているいろいろの成分が安定するための時間が必要となる。
 このように貯蔵した後、重い成分は主にタール分となって底に沈み、竹酢液は3層にわかれる。上澄み液には少量の油分が含まれており、この部分はごく僅かで、その下の中層が大部分を占める。下層の比重の大きいものがタール分である。竹酢液は、この3層に分かれたものの中から主に中層のものが使われる。
竹酢液のアトピー性皮膚炎に対する消炎効果
アトピー性疾患とは、過敏症のⅠ型に分類されるもので、外来性あるいは内在性の抗原(アレルゲン)が組織の肥満細胞と血中の好塩基球の膜受容体に結合している特異的な抗体である免疫グロブリンEと結合した結果引き起こされる。この抗原抗体反応によって、強力な血管作動性および炎症性の媒介物の放出を引き起こす。この媒介物質はいろいろあるが、代表格がヒスタミンで
血管の拡張、毛細管浸透性の増加、腺の分泌過多、平滑筋のけいれん、および好酸球と他の炎症性細胞による組織浸潤を生み出す。これがアトピー性皮膚炎である。このヒスタミンは人間の皮膚に多く分布している。ヒスタミンの構造は図二のような化学構造をしておりエチルアミンの仲間である。エチルアミン(C H NH )はアンモニアよりも強い塩基性の物質で酸と出会うと塩を生成する。
 ヒスタミンは、普段は他の物質と結合して不活性な状態で皮膚や筋肉等の肥満細胞と呼ばれる細胞内に顆粒状で存在しているが前述したように抗体(アレルゲン)が出現するとそれに対抗する抗体(免疫グロブリンE)との反応で活性化され、アトピー性皮膚炎を引き起こすことになるらしい。
表四はヒスタミンによる種々の障害を止めるための基本物質をしめす。これらの物質の官能基を見ると、いろいろのものが存在する。これらの官能基が機能するであろう。
これから推論出来る事は、抗ヒスタミン薬の機能はヒスタミンあるいは、その受容体の官能基に、より反応性の高い官能基をくっつけてしまい、ヒスタミンや受容体の機能を変えてしまえばよい、という単純な構図が考えられる。竹酢液に含まれる多くの成分には、抗ヒスタミンと同じ官能基が存在する。しかも、生理的に厄介なアミン類については、抗ヒスタミン剤のような複雑な化学構造のものはない。それにシアノ基(-CN)を含まないから素人目には既存の抗ヒスタミン薬より生理的に安全のような気がする。その上、ヒスタミンやその受容体の官能基とよりラジカルに反応し、それらを不活性化するとなれば願ったりかなったりであろう。なぜなら、竹酢液にふくまれている官能基は、特定の抗ヒスタミン剤よりはるかに多く含まれており、より活性化機能の強い官能基が存在するかも知れない。
竹酢液に含まれる多くの酸類は、ヒスタミンのエチルアミン構造と反応して塩を生成し、これによってもヒスタミンを不活性化するかも知れない。現象的には、竹酢液はアトピー性皮膚炎に対する消炎効果が認められるのであるから、上述のような反応が起こっていると考えて間違いないであろう。
糖尿病に対する竹酢液の効果
・糖尿病とは
 糖尿病とは、インスリン分泌の障害とインスリン作用の障害の両方、もしくは一方が原因で生じる高血糖を特徴とする症候群で、糖尿病性ケトアシドーシスまたは非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡や、網膜症、腎症、冠動脈および抹消動脈の粥状硬化症、末梢神経障害と自律神経障害等の糖尿病晩期合併症の危険を伴う恐ろしい病気で、気がつかない間に進行し、晩期には悲惨な状態となる。このインスリン欠乏の病態生理を簡単に示すと図三のようになる。インスリンの構造や生理活性についてはかなり明確に分かってきているようであるが、糖尿病そのものの研究や治療法についての研究はインスリンそのものの研究に比べてかなり見劣りがする。
それは相手が人間であることと不確定要素が多すぎて単純な実験系を組み立てることが出来ないからであろう。
・糖尿病に対する竹酢液の効果について考えてみよう
 糖尿病は図三に示したように主要な徴候は高血糖である。これは
   1)細胞内へのグリコースの取り込みの減少
   2)種々の組織でのグルコース利用の低下
   3)肝臓でのグルコース生産の増加
によって起こる。これらは全てインスリンの欠乏と関連している。それゆえ、治療法としてはインスリンを直接投与するかインスリン分泌を刺激するスルフォニル尿素化合物が薬として用いられる。この薬は、標的組織でのインスリン作用を増強したり、肝臓でのグルコース生成を阻害することで血糖を低下させる。
 これらインスリン分泌を促す薬剤を表5に示す。いずれも抗ヒスタミン剤同様見るからに気持ちの悪い構造をしており、全てに副作用として低血糖がついてまわる。いずれにしろ、糖尿病患者にとっては、低血糖を伴うことなく血糖値を下げることが第一である。すでに示したように、これまでに行った竹酢液の成分の中にはスルフォニル尿素剤に匹敵するような、ややこしい化学構造を持ったものは検出されていない。それにもかかわらずこれを服用することによって血糖値が下がったという話が寄せられている。
 岸本先生が木酢液から作られた糖尿病の治療薬のことについて述べられたことがあるが、結構売れたという事は、それなりに効果があったと考えられる。
 とにかく現象的には竹酢液を服用することによって血糖値が下がったという事実があることは、竹酢液の成分中にスルフォニル尿素剤同様インスリン分泌を促すか、インスリンの作用機序の中の障害部分を取り除く機能を持った物質が存在するはずである。
野村先生が立てた一つの仮説は次のようなものである。
インスリンは膵臓に結晶の形でプールされていて、その内の15~20%が一日の使用量として分泌されているが、何らかの機能障害によって、この結晶を活性化させることが出来ない場合が考えられる。この活性化に与るのが遊離のカルボキシル基フェノール水酸基出あることが分かっている。スルフォニル尿素剤の化学構造の中にもこれと同じ官能基を持っており、竹酢液の組成分にも、より豊富に存在している。しかも竹酢液の方にラジカルなものが多いとすれば、
インスリン活性剤の一つとして効果があるはずだ、という説である。

⑦よい炭と悪い炭をどのように区別するか
 炭の用途によってよい炭の条件が変わるので、一律にこれがよい炭だとは云えない。
例えば、土壌改良用に使うのであれば、形状に関係なく600℃程度で焼成された比較的柔かいものでも使用できます。伏せ焼きやドラム缶で焼かれたものでもOKです。
 一方、炊飯用、浄水用等は形状的にも綺麗なものが要求されます。焼成温度は800℃以上の硬いものが適しています。床下調湿用には、柔かいものと硬いものとの混合炭が効果を発揮するようです。
従って、用途に応じた焼成温度で焼かれた炭がよい炭と云えるでしょう。
 ごく一般的に流通している炭については次のような表現で表されています。いい炭とは

      イ)通電性に優れていること
               (炭化度計やテスターでチェックする。)
     ロ)硬く割れにくいこと
              (15cmの長さの平板炭で少々の力で折れないこと。)
     ハ)表面が滑らかであること
              (色は真っ黒と云うより、グレーまたは銀白色)
     ニ)炭と炭を叩くと金属音がすること  

上記の竹炭を作るのには土窯で800℃以上の焼成温度で焼かれたものが多いと云われています。
                                      以上
⑧その他
1.瓦窯による竹炭の製造
(最高温度850℃をめざして)              H16-1-11  

1)窯の改造状況と実績
岬町では以前、瓦の生産地として知られる土地であり、多奈川の港から沢山出荷されていたと言われています。現在では瓦窯は一基も残っていませんが、伝統産業を後世に伝えるべく小型の窯が再現されています。小型でも実際に瓦が焼かれる窯ですけれども、1回のテスト焼き以外は使われておりません。 その後、使用予定のないまま放置されているのを知り、所有者である町に依頼して使用許可を取りつける。外部形状はあまり変形しないとの約束で、炉の内部だけ炭用に改造した。
第一回目の改造状況を図1に示す。
右側を燃焼室として使い、炭化室の壁を一部抜き取り熱風口とする。
炭化室は地下部分を埋めただけで使い、左側の部屋は使用せず煙道のパイプを2本通すだけにして、煙突は炉の外側の施置する。
 この窯を使ってH12年~H14年まで3年間、24回の炭化作業を実施する。
よい炭も何回か出来たが、温度の上下動が激しく操炉の難しい窯で、着火することが多くて困る。
 こんな状況で第2回改造をH14年末に実施し図2のごとく改める。
しかし、表1に示すごとく10月までは、かんばしい実績がない。窯NO15-9-28については2日目の朝には、煙突から煙がぜんぜん出ず、逆に空気口から煙が吹きだしている。煙道口が炭材で塞がれたのかと思い、煙突下を分解して見たが、詰まっていない。仕方なく、卓上旋風機の微風で煙を炉内へ押し込む。
続いて窯NO15-10-26のケースでも同様の時期に空気口から煙が吹き出した。
これは窯の構造上の欠陥があるだろうと考えて、第3回目の改造を実施する。図3に改造点を示す。
 改造点 ①煙突を炉本体に密着させる。
     ②排煙口を拡大する。
     ③排煙口上の上部に傾斜板を取り付ける。
     ④焚口の高さ、空気口の高さを70mm低くする。
     ⑤専用の燻煙熱処理炉で充分燻煙熱処理をした炭材を使用した。
以上の改造で煙の引きが大変によくなり、温度上昇が楽になる。今回の改造後は、常に温度上昇したいと、云った感じで、これを押さえながらの操炉となる。炉内温度が800℃以上になったのは過去4回あるが、排煙温度が400℃を越えたのは今回が初めてである。
 窯NO15-11-19と窯NO15-12-10の二回連続の好成績で800℃以上の確保は今後とも達成されるでしょう。
2)考察
  ①炉内空気の乱流
    2回目改造(図2)では天井の形状が角型であり、このために炉内空気の流れが悪く天井に沿って排煙口方向に進んだ空気が垂直な壁に当たって、いろんな方向へ乱流となっていたのではなかろうか。乱流の最も悪い例が空気口から煙の逆噴射ではないか。    
  ②空気の整流化
    排煙口の上部に傾斜板を取り付けたあとは煙の引きが、おおいに改善された。
    全工程にわたって煙の勢いがよく、しょぼくれた煙にはならなかった。
  ③煙道の炉本体への密着
     炉温の熱伝導によって煙道内の排煙が加熱されて、上昇気流が加速され、煙の引きが良くなったのではなかろうか。
    これで本来の炭窯にほぼ近づいたのではないかと思われます。
④炭化温度のバラツキが多い(窯No15‐12‐10)
    焚口側を前、排煙口側を奥として9箇所の炭化温度を測定する。
    (1箇所7点の平均値℃)
    今後このばらつきを少なくする方策を講じなければならない。
        左   中   右
      前 764  825  730
      中 816  821  747
      奥 733  701  743
2.煙突の開閉板の製作
    空気口は12mmの鉄板7枚で調整しているが煙突口の開度は並レンガを乗せただけの目分量で30%とか80%とか云っていた。これでは個人差もあり誰がやっても正確に開度が設定できるような開閉板を開発した。【表2】【表3】

3.協会に対する要望
    論文を書くとなると沢山の資料をあさり、あれこれ考えさせられました。
    おかげで、よい勉強になりました。
     要望点としては炭焼き技術についての講習会を開催して欲しい。
         イ)土窯・レンガ窯の現場的な技術講習会。
         ハ)土窯またはレンガ窯における炭化操作実習。
         ロ)土窯、レンガ窯の製作実習。
     以上宜しくお願いします。
by kyousinomori | 2004-02-02 10:29 | その他・交流会・サポート | Comments(0)